地球の研究カード太陽系から複雑な生命まで
ゲームの時代5〜8のすべての研究カード。太陽系から生命の起源と複雑な生命まで、年、著者、雑誌、論文題名つき。
ゲームの研究カードは、どれも実際に発表された論文に対応しています。このページでは地球の部分、つまり太陽系の誕生から生命の起源を経て複雑な生命までの第5時代から第8時代を扱い、カードは全部で30枚あまりです。7つのグループに分けました。各項目は、何が分かったかを一文で述べ、出典を括弧に入れています(著者、学術誌 年)。
地球と月はどうできたか
- 隕石の鉛の同位体から、地球の年齢は約45億5000万年と分かった。鉛の汚染を取り除くため、測定者はのちに、有鉛ガソリンの禁止を後押しした(Patterson、Geochimica et Cosmochimica Acta 1956)。
- 隕石中のアルミニウム26の崩壊生成物は、太陽系が生まれたとき、近くで星が死んだばかりだったことを示している(Lee、Papanastassiou & Wasserburg、The Astrophysical Journal Letters 1977)。
- コンピューターシミュレーションで、火星くらいの天体が斜めに地球にぶつかり、飛び散った破片が集まって月になることが示された(Canup & Asphaug、Nature 2001)。
- 木星はかつて内側へ移動し、その後土星に「引き戻され」、途中で火星の材料を食べてしまった。だから火星はこんなに小さい(Walshほか、Nature 2011)。
- 巨大惑星の軌道が激しく入れ替わり、たくさんの小天体が内側の太陽系にはじき飛ばされて、後期重爆撃を引き起こした(Gomes、Levison、Tsiganis & Morbidelli、Nature 2005)。
- 砂粒ほどのジルコンの結晶が、地球が生まれてわずか約1億5000万年後に、液体の水があったかもしれないことを示している(Wilde、Valley、Peck & Graham、Nature 2001)。
太陽系の外の惑星
- ペガスス座51番星のまわりで、4日で恒星を回る巨大惑星が見つかった。太陽系はもう唯一のものではなくなり、発見者は2019年のノーベル賞を受けた(Mayor & Queloz、Nature 1995)。
- ケプラー望遠鏡は、惑星が恒星の前を横切るときのかすかな減光から新しい世界を探し、数千個を見つけた(Boruckiほか、Science 2010)。
- 地球サイズの7つの惑星が、小さな赤色矮星のまわりにひしめいていて、そのうちのいくつかには液体の水があるかもしれない(Gillonほか、Nature 2017)。
生命の原料はどこから来たか
- ある大学院生が、水、メタン、アンモニア、水素をフラスコに封じて火花を飛ばし、タンパク質を作るアミノ酸を得た(Miller、Science 1953)。
- マーチソン隕石から地球外由来のアミノ酸が見つかり、生命の原料は宇宙にありふれているのかもしれない(Kvenvoldenほか、Nature 1970)。
- 原始的な条件のもとで、RNAの部品を直接組み立てる、より「自然な」化学の道筋が見つかった(Powner、Gerland & Sutherland、Nature 2009)。
- 深海の噴出孔のまわりの生態系は、日光なしで生きていて、生命の起源に新しい候補地をもたらした(Corlissほか、Science 1979)。
RNAワールド
- RNAは酵素のように反応を触媒できるので、RNAは情報であり道具でもある。この研究は1989年のノーベル賞を受けた(Kruger、Cechほか、Cell 1982)。
- 酵素のうち、実際に触媒をする部分は、タンパク質ではなくRNAだった(Guerrier-Takada、Altmanほか、Cell 1983)。
- 最初の生命は、すべてRNAでできていて、DNAとタンパク質はあとから加わったのかもしれない(Gilbert、Nature 1986)。
- 2つのRNA酵素が互いをコピーし合い、数が指数関数的に増え続けた。「分子の生命」への一歩である(Lincoln & Joyce、Science 2009)。
- タンパク質を作るリボソームの中心はRNAである。これはRNAワールドが残した直接の証拠で、この研究は2009年のノーベル賞を受けた(Nissenほか、Science 2000)。
生命の樹と共通祖先
- リボソームRNAを比べると、「細菌」は実はまったく違う2種類の生命であることが分かり、古細菌は独立した枝になった(Woese & Fox、PNAS 1977)。
- 生命の樹は、細菌、古細菌、真核生物の3ドメインで描き直された(Woese、Kandler & Wheelis、PNAS 1990)。
- ミトコンドリアと葉緑体は、もとは自由に生きる細菌だった。飲み込まれたあと、細胞の一部になった。この考えが出されたとき、10を超える学術誌に断られた(マーギュリス、Saganの名で、Journal of Theoretical Biology 1967)。
- すべての生命の共通祖先は、高温で酸素がなく水素が豊富な深海の噴出孔のそばで生きていたのかもしれない(Weissほか、Nature Microbiology 2016)。
- 深海の堆積物で見つかったロキ古細菌には、かつて真核生物だけのものと思われていた遺伝子が数多くある(Spangほか、Nature 2015)。
- DNAは二重らせんで、塩基の対が遺伝情報のコピーのしかたを示唆している(Watson & Crick、Nature 1953)。
酸素、氷、最古の化石
- 空気中の酸素は、一度に現れたわけではない。行きつ戻りつの長い過程を経て増えていった(Lyons、Reinhard & Planavsky、Nature 2014)。
- 約7億年前の地球は、ほぼ全面が氷に覆われていたかもしれない(Hoffmanほか、Science 1998)。
- グリーンランドの岩石には、37億年前の微生物の構造が残っているかもしれないが、この読み方はまだ議論中である(Nutmanほか、Nature 2016)。
- 古い紅藻の化石は、有性生殖と多細胞生物が、少なくとも10億年前からあることを示している(Butterfield、Paleobiology 2000)。
- ディッキンソニアの化石に残るコレステロールに似た分子は、この謎の生物が動物だったことを証明している(Bobrovskiyほか、Science 2018)。
- 雲南の澄江で見つかったミロクンミンギアとハイコウイクチスは、脊椎動物の歴史をカンブリア紀の初めまでさかのぼらせた(Shuほか、Nature 1999)。
進化、絶滅、恐竜
- 自然選択説はダーウィンとウォレスが共同で発表し、翌年に『種の起源』が出た(Journal of the Proceedings of the Linnean Society 1858)。
- 種は、長いあいだ安定していて、短い期間に急に変わるかもしれず、一定の速さで進化するのではない(Eldredge & Gould、Models in Paleobiology 1972)。
- 科学者は、移行化石がどの地層にあるはずかを予測し、カナダの北極圏でティクターリクを見つけた(Daeschler、Shubin & Jenkins、Nature 2006)。
- クジラの祖先は、陸を走るひづめのある動物で、カバと近縁である(Thewissenほか、Nature 2001)。
- 白亜紀末の地層には、イリジウムが異常に多く含まれていて、小惑星が地球にぶつかったと推論された(Alvarezほか、Science 1980)。
- メキシコのユカタン半島の地下に、直径約180キロメートルのクレーターがあり、小惑星の衝突と一致する(Hildebrandほか、Geology 1991)。
- ペルム紀末の絶滅は、わずか約6万年で起きた可能性があり、シベリアの火山活動と合う(Burgess、Bowring & Shen、PNAS 2014)。
- 恐竜には、鳥が現れる前から羽毛が生えていた(Ji、Currie、Norell & Ji、Nature 1998)。
- 遼寧のアルカエフルクトゥスは、最も古い被子植物の1つと考えられたが、年代はのちに白亜紀前期へと修正された(Sunほか、Science 1998)。
実際の根拠
最初の系外惑星:ペガスス座51番星の周りに、4日で公転する巨大惑星が見つかった。太陽系はもう唯一ではなくなった。2019年ノーベル賞。
出典:Mayor & Queloz, Nature 1995, "A Jupiter-mass companion to a solar-type star"
月の誕生:コンピューターシミュレーションでは、火星サイズの天体が斜めに地球にぶつかり、破片が集まって月になった。
出典:Canup & Asphaug, Nature 2001, "Origin of the Moon in a giant impact near the end of the Earth's formation"
ニースモデル:巨大惑星の軌道が激しく入れ替わり、多くの小天体が太陽系の内側へ投げ込まれて、後期重爆撃期を引き起こした。
出典:Gomes, Levison, Tsiganis & Morbidelli, Nature 2005, "Origin of the cataclysmic Late Heavy Bombardment period of the terrestrial planets"
木星のグランド・タック:木星はかつて内側へ移動し、土星に「引き戻された」。その途中で火星の原料を食べてしまい、そのため火星は小さい。
出典:Walsh et al., Nature 2011, "A low mass for Mars from Jupiter's early gas-driven migration"
44億年前の海:砂粒ほどのジルコンが、地球は誕生からわずか約1億5000万年後に液体の水をもっていたかもしれないことを示している。
出典:Wilde, Valley, Peck & Graham, Nature 2001, "Evidence from detrital zircons for the existence of continental crust and oceans on the Earth 4.4 Gyr ago"
地球の年齢:パターソンは隕石の鉛同位体を使って、地球の年齢を約45億5000万年と測定した。鉛汚染をなくすため、のちに有鉛ガソリンの禁止を訴えた。
出典:Patterson, Geochimica et Cosmochimica Acta 1956, "Age of meteorites and the earth"
アルミニウム26の謎:隕石中のアルミニウム26の崩壊生成物は、太陽系が生まれたとき、近くで星が死んだばかりだったことを示している。
出典:Lee, Papanastassiou & Wasserburg, The Astrophysical Journal Letters 1977, "Aluminum-26 in the early solar system: Fossil or fuel?"
7つの温暖な惑星:7つの地球サイズの惑星が小さな赤色矮星のまわりに密集しており、いくつかには液体の水があるかもしれない。
出典:Gillon et al., Nature 2017, "Seven temperate terrestrial planets around the nearby ultracool dwarf star TRAPPIST-1"
ケプラー:ケプラー望遠鏡は空のひとつの領域を見つめ、惑星が横切るときのかすかな減光から新しい世界を探し、最終的に数千個を見つけた。
出典:Borucki et al., Science 2010, "Kepler planet-detection mission: introduction and first results"
ミラー・ユーリーの実験:大学院生が水、メタン、アンモニア、水素をフラスコに封じて放電しつづけたところ、タンパク質を構成するアミノ酸ができた。
出典:Miller, Science 1953, "A production of amino acids under possible primitive earth conditions"
酵素なしのヌクレオチド:原始的な条件で、RNAの部品を直接つくる、より「自然な」化学的経路が見つかった。
出典:Powner, Gerland & Sutherland, Nature 2009, "Synthesis of activated pyrimidine ribonucleotides in prebiotically plausible conditions"
自分を切るRNA:チェックは、RNAが酵素のように反応を触媒できることを発見した。RNAは情報であり、道具でもある。1989年ノーベル賞。
出典:Kruger, Cech et al., Cell 1982, "Self-splicing RNA: autoexcision and autocyclization of the ribosomal RNA intervening sequence of Tetrahymena"
リボヌクレアーゼP:アルトマンは独立に、ある酵素で実際に触媒を行う部分がタンパク質ではなくRNAであることを見つけた。
出典:Guerrier-Takada, Altman et al., Cell 1983, "The RNA moiety of ribonuclease P is the catalytic subunit of the enzyme"
RNAワールド:ギルバートは、最初期の生命はすべてRNAでできていて、DNAとタンパク質はあとから加わったのかもしれないと提唱した。
出典:Gilbert, Nature 1986, "Origin of life: The RNA world"
自己複製するRNA:二つのRNA酵素が互いをコピーし、数は指数関数的に増えつづけられる。「分子の生命」に一歩近づいた。
出典:Lincoln & Joyce, Science 2009, "Self-sustained replication of an RNA enzyme"
宇宙のアミノ酸:マーチソン隕石から、地球外起源のアミノ酸が見つかった。生命の原料は宇宙にありふれているのかもしれない。
出典:Kvenvolden et al., Nature 1970, "Evidence for extraterrestrial amino-acids and hydrocarbons in the Murchison meteorite"
リボソームはリボザイム:リボソームのタンパク質合成の中心はRNAであり、RNAワールドが残した直接の証拠だ。2009年ノーベル賞。
出典:Nissen, Hansen, Ban, Moore & Steitz, Science 2000, "The structural basis of ribosome activity in peptide bond synthesis"
深海の熱水:太陽光に頼らない生態系が深海の熱水の周辺に存在し、生命の起源に新しい候補地を与えた。
出典:Corliss et al., Science 1979, "Submarine thermal springs on the Galápagos Rift"
第三の生命:リボソームRNAを比較すると、「細菌」は実際にはまったく異なる2種類の生命であることがわかり、古細菌は独立した一系統になった。
出典:Woese & Fox, PNAS 1977, "Phylogenetic structure of the prokaryotic domain: The primary kingdoms"
三ドメイン説:生命の樹は、細菌、古細菌、真核生物の3つのドメインに分け直された。
出典:Woese, Kandler & Wheelis, PNAS 1990, "Towards a natural system of organisms: proposal for the domains Archaea, Bacteria, and Eucarya"
細胞内共生説:マーギュリスは、ミトコンドリアと葉緑体はかつて独立した細菌で、取り込まれて細胞の一部になったと提唱した。十数誌に掲載を断られた。
出典:Sagan (Margulis), Journal of Theoretical Biology 1967, "On the origin of mitosing cells"
LUCAの故郷:現代の遺伝子からさかのぼると、すべての生命の共通祖先は、高温で酸素がなく水素が豊富な深海の噴出孔の近くに住んでいたのかもしれない。
出典:Weiss et al., Nature Microbiology 2016, "The physiology and habitat of the last universal common ancestor"
全球凍結:ナミビアの岩石の層は、約7億年前に地球がほぼ全面を氷で覆われていた可能性を示している。
出典:Hoffman et al., Science 1998, "A Neoproterozoic snowball Earth"
酸素の増加:大気中の酸素は一度に増えたのではなく、長く繰り返される過程のなかで上昇した。
出典:Lyons, Reinhard & Planavsky, Nature 2014, "The rise of oxygen in Earth's early ocean and atmosphere"
二重らせん:1ページの論文が、DNAは二重らせんであると提案し、塩基対が遺伝情報のコピーのしくみを示唆した。
出典:Watson & Crick, Nature 1953, "Molecular structure of nucleic acids: A structure for deoxyribose nucleic acid"
アスガルド古細菌:深海の堆積物から見つかったロキ古細菌は、かつて真核生物にしかないと考えられていた多くの遺伝子をもっている。
出典:Spang et al., Nature 2015, "Complex archaea that bridge the gap between prokaryotes and eukaryotes"
最古の有性生殖:古代の紅藻の化石は、有性生殖と多細胞生物に少なくとも10億年の歴史があることを示している。
出典:Butterfield, Paleobiology 2000, "Bangiomorpha pubescens n. gen., n. sp.: implications for the evolution of sex, multicellularity, and the Mesoproterozoic/Neoproterozoic radiation of eukaryotes"
37億年前のストロマトライト:グリーンランドの岩石には、37億年前の微生物の構造が残っているかもしれない。ただし、この解釈はまだ議論がある。
出典:Nutman et al., Nature 2016, "Rapid emergence of life shown by discovery of 3,700-million-year-old microbial structures"
自然選択:ダーウィンとウォレスは自然選択説を共同で発表した。翌年、『種の起源』が出版された。
出典:Darwin & Wallace, Journal of the Proceedings of the Linnean Society 1858, "On the tendency of species to form varieties; and on the perpetuation of varieties and species by natural means of selection"
恐竜絶滅の謎:白亜紀末の地層ではイリジウムが異常に濃集しており、アルバレス父子は小惑星が地球に衝突したと結論づけた。
出典:Alvarez et al., Science 1980, "Extraterrestrial cause for the Cretaceous-Tertiary extinction"
クレーターの発見:メキシコのユカタン半島の下に埋もれていたのは、直径約180キロのクレーター。まさにあの小惑星が残したものだった。
出典:Hildebrand et al., Geology 1991, "Chicxulub Crater: A possible Cretaceous/Tertiary boundary impact crater on the Yucatán Peninsula, Mexico"
ティクターリク:科学者は移行化石がどの年代の岩石にあるはずかを予測し、その後カナダ北極圏で実際に見つけた。
出典:Daeschler, Shubin & Jenkins, Nature 2006, "A Devonian tetrapod-like fish and the evolution of the tetrapod body plan"
最古の動物:ディッキンソニアの化石にはコレステロール系の分子が保存されており、この謎の生物が動物だったことを証明した。
出典:Bobrovskiy et al., Science 2018, "Ancient steroids establish the Ediacaran fossil Dickinsonia as one of the earliest animals"
最古の脊椎動物:雲南省の澄江で見つかったミロクンミンギアとハイコウイクチスは、脊椎動物の歴史をカンブリア紀初期まで押し戻した。
出典:Shu et al., Nature 1999, "Lower Cambrian vertebrates from south China"
羽毛恐竜:遼寧省の化石は、鳥が現れる前から恐竜に羽毛が生えていたことを示している。
出典:Ji, Currie, Norell & Ji, Nature 1998, "Two feathered dinosaurs from northeastern China"
最初の花:遼寧省のアルカエフルクトゥスは最古級の被子植物と考えられ、のちに年代が前期白亜紀へ修正された。
出典:Sun et al., Science 1998, "In search of the first flower: a Jurassic angiosperm, Archaefructus, from northeast China"
断続平衡:種は長く安定したままで、短期間に急に変わることもある。一定の速さで進化するのではない。
出典:Eldredge & Gould, Models in Paleobiology 1972, "Punctuated equilibria: an alternative to phyletic gradualism"
最悪の大量絶滅:精密な年代測定によると、ペルム紀末の絶滅はわずか約6万年で終わった可能性があり、シベリアの火山活動と一致する。
出典:Burgess, Bowring & Shen, PNAS 2014, "High-precision timeline for Earth's most severe extinction"
陸を歩いたクジラ:パキスタンの化石は、クジラの祖先が陸を走るひづめのある動物で、カバに近い仲間だったことを示している。
出典:Thewissen et al., Nature 2001, "Skeletons of terrestrial cetaceans and the relationship of whales to artiodactyls"